ジャズ嫌い | いくぜバンドガール。

ジャズ嫌い

中学生のとき、父親に連れて行かれてブルーノートデビューした(見るほう)。
たしかブランフォード・マルサリス。
今は別に好きなプレイヤーではないけど、当時は生演奏を間近で見る迫力に、すごく感銘を受けた。

それから何度かブルーノートには連れて行ってもらい、ハービー・ハンコックのなげやりな演奏にガッカリしたりした。
高校生のときにはジャズ喫茶なんかにも行ったりした。
そして徐々に知り合いが増えるにつれ、感じる違和感。

私にとってジャズは英語の勉強のようだった。
プレイヤーの名前、その担当楽器、代表曲、収録されているアルバムのジャケット。
それらを点つなぎゲームのように丸覚えしていく作業。

残念ながら私の周りにいた「ジャズ好き」の人たちは、そういった作業の積み重ねで形成されているようにしか見えなかった。
知識のない人間を馬鹿にするということ。
「ジャズが好きな人間が偉いってわけじゃねえ!」と今の私には言えるけど、もっともっと小娘だったあの頃は言えなかった。

そうして私はどんどんジャズが嫌いになった。

きっと、私だけじゃないと思う。
そしてこの悪しき伝統は、今も尚、連綿と受け継がれちゃってるみたいだ。
糞食らえ。

やっと最近、偏見なくジャズを受け入れている人たちに出会って、私もすこし、ほぐれてきている。
ただの「カッコいいもの」として捉えている人たち。
長~いアドリブソロ(インプロビゼーションと言ったって別にいいけど)を聞くのはやっぱり苦手だけど。
一度思いっきり屈折してしまったジャズへの気持ちは、素直に受け入れるのにもう少し時間がかかりそうだ。